~統計をイメージで科学する~
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STAT IMAGING LAB

投稿記事

室内再現精度の評価への実験計画法の活用のススメ

Pharm Stage 2019年10月号

分析法バリデーションに関する省令(ICH-Q2B)では室内再現精度の評価に「実験計画法を利用することを奨励する」と書かれていますが、実際には、真度、併行精度、室内再現精度を別々に求めているケースが大半かと思います。しかし、実験計画法を駆使して一つの実験系とすることで、より頑健性の高い評価結果を得ることができるのですが、このことを平易に解説した書籍はあまりありません。そこで、具体的にどのような応用が可能なのかを例示を試みることにしました。多くの部分を分析法バリデーションのバイブル的な書籍である鹿庭なほ子先生の「医薬品の分析法バリデーション」に依っていますので、その解説文となれば幸いです。

溶出試験判定法1の統計的考察

Pharm Tech Japan 2019年6月号(Vol.35 No.7)

判定法1に関する合否判定性能をグラフを多用して解説しました。自分でもちょっと驚きの結果です。

なお、判定法2に関する寄稿と同様、サンプリング試験の紹介も兼ねています。これをきっかけにサンプリング試験に興味を持って頂けたなら幸いです。

溶出試験判定法2の統計的考察

Pharm Tech Japan 2019年5月号(Vol.35 No.6)

JP
においては依然として主流となっている判定法2についての統計的な考察と判定法2をそのまま溶出試験の合否判定規格とした場合のリスクについてOC曲線を使いながら定量的に論じました。また、判定法2が有するリスクを合理的に低減するための方法としてJIS Z9003 計量規準型一回抜取検査(不良率制御)の応用例を示しました。

本稿の原点は「規格とは何なのか?」ということの問題提起だったのです。医薬品に不良品は混入してはならない、ゼロ・ディフェクトだと主張する人はたくさんいます。しかし医薬品と言えども工業製品なので、ばらつきはあるのです。しかも、ほとんどの検査項目が破壊試験であるためロットの評価はサンプリング試験にならざるを得ないのです。なのでゼロ・ディフェクトの立証は不可能なのです。したがって許容不良率という考えを導入しなければ、精神論にしかならず科学的な議論にはならないのです。

そこで溶出試験の出番です。溶出試験は基準値を満たさない個体の存在を認めているので、この話をするのにもってこいの題材でした。ですので、この寄稿をきっかけに「許容不良率」なる概念に陽が当たれば良いなあと思っているのです。

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